プライドの邪魔者

人はそれを恋と名付けたけれど

世界で一番大好きなあなたへーー2007.07.06→2018.01.25

私があなたに出会ったのは、小学校4年生の時でした。

今となっては何で見る気になったのかも覚えていない、高校生3人のラブコメ(?)青春ドラマ。あなたの役柄は、クールで成績優秀でお金持ちな、主人公の親友。キャラ設定もあなたの容姿も私の理想すぎて、すぐにあなたを好きになりました。

でも、自分の力では何の収入を得ることもできず、家もそうお金持ちでなく、パソコンすらない我が家では「ファン」になることは限りなく不可能に近かった。
毎週土曜昼に放送されているあなたたちのグループが出演しているバラエティと、たまに出る音楽番組と、たまに流れるCMを楽しみにあなたのファンを名乗っていました。

こんなレベルでファンとか名乗ってたらファンに殺されるんじゃないかなっていうくらいゆるいファンでした。


中学1年生の時、やっと母の許しを得てあなたたちのファンクラブに入りました。ファンと名乗るための剣と盾を手に入れたようで、とてもとても嬉しかった。

ファンじゃない友達や母にも毎日あなたの話をして、あなたが起こすどんなアクションにもキャーキャー言って、今思うと私が一番嫌いなタイプのファンでした。

そして、中学3年間をどこにでもいる、クラスに1人や2人はいる、平凡なARASHICとして過ごしました。


高校1年生のころ、初めてあなたたちのコンサートに行けることになりました。
転売なんて悪い人たちがすることであって自分には何の縁もないと思っていて*1、複数名義なんて言葉すら知らなかったあの頃、正真正銘自分の運で当てた、自分の名前が印刷された、たった一枚のチケット。当時の私にとって、この世で最も価値のあるものでした。

コンサート当日は、当時私が一番気に入っていた洋服を着て、朝からわくわくしながらグッズを買って、ちょっと大人ぶって千駄ヶ谷駅のカフェで時間を潰し、コンサートが始まり、終わった。


最高だった。始めて生で見るあなたは本当にかっこよくてキラキラしていて更に大好きになった……と言いたいところだけど、実はよく覚えていません。
初めてのコンサートに興奮しすぎて、他のメンバーのことは多少覚えていても、あなたのことは全くと言っていいほど覚えていないんです。今思うともったいないにも程があるけど、この時はそれでよかった。
あとからセットリストなどについていろいろ言うことはあったけど、この時は本当に楽しくて最高としか頭になくて、帰りの電車で夢と現実を行き来するような、そんな不思議な感覚でした。


そして大学に入り、色々な人と知り合い、色々な情報を得た。今後私がこの世界で生きていく上で知っておくべき情報も、こんな思いをするなら知らなくてよかったって思う情報もあった。
あなたのこと、あなたのファンのこと。

この時には、あなたを好きでいる期間が長すぎて、好きすぎて、私以外のあなたのことが好きな人を嫌う、ちょっと拗らせた、色々な人から嫌われるタイプの人間になっていました。

いつの間にかARASHICと名乗ることを、名乗る人を、ARASHIANSと名乗る人を嫌いになっていた。私をそういう括りで見られることが嫌いになったんだと、今になって思う。
私をあなたたちと同じように見ないで、って思ってるんだと思う。
そういう人たちを見ると、比喩じゃなくて本当に気分が悪くなった。でも、そういう人が友達をたくさん作って、私より多くコンサートに行ってる事実が嫌で嫌でしょうがなかった。


徐々に、この漠然とした「嫌」という気持ちは、ほんの少しではあるけれど、あなたにも向かうようになった。
あなたは、「みんな」を大切にする人だ。テレビでも、雑誌でも、「みんな」のために言葉を紡ぐ。誰かが嫌な気持ちになることや、あなたのことを、あなたたちのことを誰かに誤解させるようなことは一切言わない。逆に言うと、それは「みんな」になれなかった人たちを無視しているということだ。

今の私は間違いなく「みんな」じゃない。だから、私のような人を、きっとあなたは嫌うと思う。


いつかあなたが、自分や自分たちから離れて行く人たちはどうぞご自由に、というニュアンスの発言をしていた。

なんで?って思った。ちょっとみんなと違うだけ、みんなと一緒になれないだけ。なのにあなたはなんでそんなこと言うの?って思った。

同時に、今だ、って思った。今離れればきっとこれ以上傷つかない。疲れない。


でも、できなかった。そんなことを言うあなたのことも好きだった。

あなたのことが好きだ。

簡単に離れることなんてできなかった。嫌われていることがわかってても、私はあなたのことが死ぬほど、バカじゃないって思うほど、こんなことしてもどうにもならないことを知っていても、あなたのことがどうしようもないくらい好きだ。


ARASHICだった頃のように、いつもあなたのことを考えてキャーキャー言ってるような「好き」ならよかった。でも、今の私にとってあなたは、いるのが当たり前で、それが私にとっての日常で、あなたがいないとおかしくなってしまう、そんな存在だ。

今の私は完全にあなたに依存していて、こういうタイプもきっとあなたは嫌うと思う。根拠とかないけど、あなたをずっと見てきたからわかる、って言わせて欲しい。
私みたいなタイプがいなくなったら、絶対そんなことは言わなくても、あなたは仕事がやりやすくなると思う。


でも、あなたをでもあなたを好きでいるのは私の勝手だ。


あなたの顔
歌うときの低い声
喋ったり笑ったりしてるときのよく通る声
ダンス
演技
キャスターをしている時
司会をしている時
くそ真面目なところ
ちょっとやんちゃなところ
メンバーと笑い合っている時
先輩と一緒の時には甘えて、実は人たらしでいろんな先輩から可愛がられるところ
後輩と一緒の時はお兄ちゃんの面を出して、みんなに頼られ慕われ全員を大切にするところ
「みんな」のために動いているところ
「みんな」を大切にするから一人一人に向けたファンサービスをしないところ
お仕事モードの時の態度
できるだけ長い時間を「嵐」としていたいと思っているところ
そのためにはどんなことだってするところ

全部全部全部全部、私の好きなあなただ。

 

櫻井翔さん、36歳のお誕生日おめでとうございます。
できるだけ大人しくしているから、まだあなたを好きでいさせてください。

あなたが許してくれる限り、私はあなたのことが世界で一番大好きです。

 

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*1:転売は今も昔も悪い人がすることです